油を完全コントロール

油を上手に使って、おいしさを守る

油脂はインスタントラーメンにとって、加工時に熱を伝える熱媒体となるほか、体に必要な脂肪酸を供給します。
また、風味を高めたり、食の充実感をつくりだすなど、とても重要な役割を果たしている成分です。
しかし、油脂を含む食品は、私たちの食生活を豊かにしている反面、酸化などによって変質した場合には風味を損なったり、異臭の原因になったりすることがあります。
そのため、インスタントラーメンに使われる油脂は、厳格に検査し、管理されています。

つねに新鮮な油で揚げられるように設計

「油揚げめん」に使われる油脂は、パーム油、純正ラード、ごま油、またはこれらの混合油です。油揚げを行う装置は、つねに新鮮な油で揚げられるように設計され、揚槽内は適正な油量にコントロールされています。こうしてめんが吸収した油脂成分がいつまでも新鮮さを保つように、製造工程ではつぎのような管理が厳しく行われています。

  • 揚げる温度を140~150℃に保つ(通常家庭での揚げ温度は180℃)
  • 揚げ油はできるだけ空気に触れないようにする
  • 揚げかすを速やかに除去する
  • 装置の材質は油脂を酸化させないものにする
  • 揚げ終えためんと油は素早く冷却する
  • 酸化防止効果のあるビタミンEを添加する
  • 酸化を防ぐため、湿度、日光、空気に対して遮断性の高い容器、包装を使用する

出来上がった製品については、JASが定める油脂の品質指標となる「酸価」をチェックします。
また、厚生労働省では「過酸化物価」について基準を設けており、酸価同様チェックします。

このように油を完全にコントロールして、インスタントラーメンのおいしさと品質は守られています。