容器と包装への工夫

強くてやさしい素材の正体

インスタントラーメンに使用されている容器と包装材料は、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレンなど合成樹脂が主な材料ですが、これらの安全性については、「食品用合成樹脂製器具及び容器包装の規格」により規制されています。

規制内容には材質試験、溶出試験があり、これらに不合格のものは使用ができません。

また合成樹脂の添加物については、ポリオレフィンなど合成樹脂食品容器包装等に関する自主規制基準があり、個々の樹脂別に使用できる物質名と添加量が制限されています。

袋めん

「袋めん」に使用されている包装資材には、延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリエステル、セロハンなどがあり、遮光性を高め商品の劣化を防ぐために、側にアルミ蒸着をすることもあります。

添付調味料の粉末スープには、アルミニウムを構成基材として、吸湿を避けるように作られた多層フィルムが多く使用されています。液体スープ用には液漏れを配慮し、ポリエステル、ポリエチレン、延伸ナイロンなどで構成されている強度の高いものを使っています。

カップめん

JAS規格では、インスタントラーメンのなかでも特に、「カップめん」の容器について、破損又は変形などにより熱湯などの内容物がこぼれないことと規定しています。

カップめんの容器はこれらの条件を満たし、しかも容器のみならず、調理器、食器としての機能を果たしています。
ポリスチレン合成樹脂を原材料に、発泡ガスを含んだビーズで成型したものや、加熱成型したもの、それらを二重にしたり、または紙製カップを内層に使い、ポリエチレン合成樹脂や波状の紙でコーティングしたり、さまざまな研究が重ねられています。

容器以外の材質

・アルミキャップ
容器の口部シールの材料として、アルミ箔を中間層に用いて紙とポリエチレンをはり合わせたものが主として使用され、容器との接着は熱によって密封するシール材が使われています。

・外装フィルム
外装には、透明で強度が高い、収縮性ポリプロピレンフィルムがよく使われます。このフィルムを熱風で収縮し、容器に密着させることで防湿効果を高め、容器を衛生的に保っています。